回答者を教育関連従事者に限定して、再集計した結果をみると、各ブランドイメージ項目第1位となった大学から、その大学の特徴や「らしさ」がどの程度、身内に近い人間に浸透しているかが明らかになる(表2)。例えば、「地域産業に貢献」では東京農工大学(首都圏編)、名古屋工業大学(北陸・東海編)、大阪府立大学(近畿編)、鳥取大学(中国・四国編)、鹿児島大学(九州・沖縄・山口編)がそれぞれ第1位となった。
また、「資格取得に積極的」では、東京学芸大学(首都圏編)、日本福祉大学(北陸・東海編)、武庫川女子大学(近畿編)、徳島文理大学(中国・四国編)、福岡教育大学(九州・沖縄・山口編)が、各地域別の首位となった。
今回の調査結果から、少子化・全入時代のいま、自校のブランド育成がどの程度進んでいるのか・成功しているのかを、数値化して客観的にレビューできる。ブランド偏差値がトップ10にランクインしたり、各イメージ項目別で第1位を獲得したりしている「とがった」大学は、コミュニケーション戦略に一貫性があり、様々なステークホルダーに対して、大学が魅力的に映っている傾向にある。しかし、ノミネート校の中には、認知率、ブランド偏差値ともに低い大学が少なくない。そのような大学では、ブランドを経営の中で体系だって管理せず、解決すべき課題すら認識されていないという問題点を抱えている。
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