|
超人気企業が欲しい人材、語学は?
|
キヤノンも三菱商事と同様「多様な人材が欲しい」と公言している。その意味で「どちらかというと関東の私立大学からの採用が多いので、今後は地方の国公立などの比率を意識的に高めたいくらいの気持ちではいるんです」と言う。
メーカーの採用は事務系と技術系とに分かれる。ここでは事務系について見ていこう。
キヤノンでの事務系採用については「文学部を含めて大学・学部にこだわりはない。英語はできればいいが、マストではない。ポルトガル語などのBRICs言語は、現場からのニーズもまだ把握していない」と素っ気無い。
なんと、キヤノンを志望する事務系学生は「ほとんどが海外留学を経験している」。これに関しては「異文化経験をしていたほうが、のちのちにはいいと思いますけれども」という評価である。
一方、「最近はソニーらしいとんがった人材が見当たらない」と嘆くのは、ソニー人税センター採用部。
事務系採用の特徴は「内定まで大学名を一切問わない」こと。履歴書には学部名だけを記入させる。
「事務系に関しては、金太郎飴みたいに同じようなタイプを採るよりも、いろんな人がいていいと思います。勉強をきちんとやっている人がいれば、逆に勉強なんかしなくて運動ばかりやっている人もいます。専門性をうんぬんするよりは、本当にソニーらしく仕事をやれる個人を求めています。国籍も日本だけじゃなくて外国籍の人もいますしね」
世界企業のソニーは数年前まで日米欧と「その他の地域」で4分の1ずつを売り上げてきたが、ここへきてBRICsを含む「その他」の割合が三割ほどに急進し、そういった地域の「マーケティング要員を強化したい」という要請が強まっている。そこで「そういったところの言語を第二外国語的に学んでいるとか、文化を勉強している、さらに身体も丈夫で現地に行ってもへこたれない。そういう人の採用が増えています」と言う。ただし、「結果として増えているのであって、言語や留学体験を理由に採ることは基本的にないですね」
最後に、近年の大量採用で話題を集めたみずほFG。学生や大学にとって喜ばしいことだが、「離職者が多いからたくさん採用しているのではないか」という疑心暗鬼が広がっている。人事部の話では、大量採用は「守りの経営」から「攻めの経営」に転じていく大きなフェーズ転換のタイミングに当たったから、とのこと。
具体的には、かつての総合職に当たる基幹職は、将来の志望職種などによって8コースに分かれる。そのうち「みずほ銀行の個人業務分野を目指す定員300人のコースは各行がしのぎを削っている富裕層ビジネスです。06年から新設されたので、ここなどは「真水」で増えています」
同社の離職率は「3年で新人の3割が辞める」という世間並みよりは「はるかに低い」水準だそうだ。
≫その1 三菱商事が欲しがる人材は?
|
|
|